ローガン「不動産屋?」
ララ「そう。ローガン、知り合いに不動産屋がいるって言ってたでしょう?」
ローガン「ああ。」
ララ「紹介してほしいの。アイビーにもね。」
ローガン「引っ越すのか。」
ララ「ええ。」
ララ「さすがにラトの分の家賃、二人で半分払うことになるとちょっと金銭的にね。」
ローガン「たしかにな。」
ララ「それに私とアイビーとじゃ、仕事の時間が真逆すぎて、一緒に暮らしててもほとんど顔合わせないことになるし。」
ローガン「そうか。」
ローガン「二人とも、一人暮らしか?」
ララ「う~ん。私はなるべくはシェアハウスを探そうと思ってるの。」
ローガン「シェアハウス?知らないやつと?」
ララ「私には一人暮らしはいろいろ不安も多いし・・・。それにこんな仕事だからセキュリティーがきちんとしてるところか、大勢で住んでるほうが安心なのよ。」
ローガン「・・・だったら俺と一緒に住むか?」
ララ「え?」
ローガン「ディーンと一緒に家見て回ってたとき、ちょうどいいマンションみつけたんだ。古いけどセキュリティーもしっかりしてて、俺にはピッタリだったから引っ越し考えてたんだよな。でもちょっと広すぎて、部屋が余るんだよ。」
ララ「あなたも引越しなんて、みんなそういうタイミングなのかしらね。」
ローガン「そうだな。お前が一緒に住むなら、敷金とかはとらないし。部屋も、俺が広いほう使わせてもらう代わりに1/3でいいよ。」
ララ「ホントに?それすごく助かる。」
ローガン「ああ。」
ララ「ちょっと・・・考えさせてもらってもいいかしら?」
ローガン「もちろん。部屋みてから決めていいし。」
ララ「そうね。」
ローガン「そうなったら俺のところ空くから、アイビーうちに引っ越せばいいんじゃないか?」
ララ「ローガンのマンションにアイビーが?」
ローガン「ああ。俺が大家に直接交渉できるから仲介料いらないし、それにうちならセキュリティーもしっかりしてるからアイビーも安心だろ。」
ララ「たしかにそうね。アイビーはあなたのマンション来たことあるの?」
ローガン「ない。」
ララ「じゃあ一度見に行くようにいっておくわね。」
ローガン「そうだな。もし嫌だったら不動産屋紹介するから。」
ララ「ええ。お願いするわ。」
ジーナ「でもまさかあんなところで出会うなんて・・・。人生ってわからないものね。」
ディーン「そうだね。」
ジーナ「あなたのこと・・・気になっていたのよ。夫に強引に引越しを強要されてしまったから・・・。」
ディーン「やっぱりそうだったんだね。」
ディーン「今も、だんなさんと?」
ジーナ「いいえ。あのあと2年後に・・・あの人はマフィア同士の抗争で亡くなったのよ。」
ディーン「え・・・?」
ジーナ「私は皮肉にも未亡人となったの。それからこの街で夜の仕事をして暮らしているわ。」
ディーン「そうだったんだ・・・?」
ジーナ「でもね、今は幸せよ。私、10歳も年下の恋人がいるの。」
ディーン「ホントに?」
ジーナ「うふふw あなたと出会ってから年下好きになったのかしらね。でもとっても素敵な人よ。今働いてるスナックで出会ったんだけどね。結婚しようって言ってくれてるの。」
ディーン「そうなんだ?おめでとう。」
ジーナ「ありがとう。今は結婚資金をためるために昼間の仕事とスナックで忙しいけどね。」
ディーン「大変だね。」
ジーナ「ディーンは?この前一緒にいた子、彼女なんでしょう?」
ディーン「うん。幼馴染だから付き合いは長いんだけど、交際をはじめたのは3年前なんだ。」
ジーナ「そうなの。幼馴染だなんて素敵ね。女の子なら誰でもあこがれるシュチュエーションじゃない?」
ディーン「そうかな。」
ジーナ「そうよ~。結婚とかは考えてるの?」
ディーン「うん。最近同棲はじめたばっかりなんだ。ちゃんと順番を追ってからと思ってて。」
ジーナ「相変わらず真面目なのね。」
ディーン「そうかな。普通だと思うけど。」
ジーナ「彼女のこと、大事にしてねディーン。」
ディーン「うん。もちろん。」
ジーナ「私・・・あなたに感謝してるのよ。」
ディーン「え?」
ジーナ「私は若いあなたを弄んで傷つけたわね。心も体も。」
ディーン「そんなこと・・・。」
ジーナ「でも私、あなたと一緒にいた時間は、すごく満たされてたわ。あなたに愛されてるって思えたから。」
ディーン「ジーナさん・・・。」
ジーナ「女って勝手よね。ごめんなさいねディーン。」
ディーン「いや・・・。俺も・・・いい経験したと思ってるし。ジーナさんのこと、本気で好きだったから。」
ジーナ「若かったものね。でも、大人になると愛だけじゃ突っ走れないのよね。私にはあなたが眩しすぎたわ。」
ディーン「たしかに・・・愛だけじゃ突っ走れないな。この年になってみたら。」
ジーナ「ふふっw あなたも大人になったわねディーン。」
ディーン「もう26だからね。さすがに大人にならないとw」
ジーナ「そうね。」
ジーナ「それにしても、あいかわらず甘いものが好きなのねw」
ディーン「ははっw 覚えててくれたんだ?」
ジーナ「ええ。あなたが来るときはいつもケーキを買って一緒に食べてたもの。私太っちゃったんだからw」
ディーン「そうだったんだ?ごめんw」
二人の笑い声は届かない。
ただ楽しそうな雰囲気は遠くからでも見てとれた。
ラトーシャ「・・・・。」
アイビー「おまたせ~。」
ララ「お風呂、もっとゆっくり入っててもよかったのに。」
アイビー「でも話があるって言われたら気になっちゃってw」
ララ「たしかにそうねw ごめんなさい。」
アイビー「ううん。それで?引越しのことだよね?」
ララ「そう。ローガンに話したのよ。」
アイビー「ローガン、なんだって?」
ララ「一緒に住まないかって。」
アイビー「え?ララと?」
ララ「そう。ローガンちょうど引越しを考えてたんですって。」
アイビー「そうなんだ?なんだかみんな時期がかぶっちゃったね。」
ララ「ディーンと家回ってたときにいいマンションがみつかったらしいんだけど、広くて部屋が余るらしいのよ。それでちょうどいいからルームシェアしないかって。」
アイビー「へぇ~。いいね。ローガンなら安心だし。」
ララ「ええ。それで今度そのマンションを見に行くことになったの。」
アイビー「そっか~。家賃は?折半するの?」
ララ「ローガンが1/3でいいって言ってくれてるの。」
アイビー「それいいね。マンションならここよりは高いだろうけど、街にも近いし。」
ララ「ええ。」
ララ「それでね。ローガンが引っ越したら、アイビーがローガンのマンションに来ないかって。」
アイビー「ローガンのマンション?」
ララ「ええ。街中にあってセキュリティーも万全だし、ワンルームでちょっと狭いけど一人にはちょうどいいわよ。」
アイビー「そうなんだ?」
ララ「それにローガンのところなら大家さんに直接交渉してくれるらしいから仲介料いらないそうよ。」
アイビー「ホントに?それいいな。見に行ってみたい。」
ララ「今度遊びに行ってみるといいわよ。ローガンもおいでって言ってたし。」
アイビー「うん。そうしてみる。」
ララ「アイビー、本当にロミオさんと同棲はしないの?」
アイビー「うん。同棲する気は・・・ないかな。・・・お互いに。」
ララ「そう・・・。」
アイビー「うん。」
ララ「うまくいってるの?ロミオさんと。」
アイビー「うん。うまくいってるよ。」
ララ「そう・・・。ならよかった。」
アイビー「うん。」
アイビー「ローガンに連絡してみるね。」
ララ「そうね。そうしてちょうだい。」
アイビー「うん。」