2012/09/29

合コン








マリアン「ふんふんふ~ん♪」


ドアが開いて、マリアンが入ってくる。




















ケイティー「マリアンちゃん、またそんなカッコで部屋まで・・・。寮母さんに怒られるよ?」

マリアン「今日寮母さんいないも~ん♪」

ケイティー「だからって・・・そんなかっこじゃ風邪ひいちゃうよ?」

マリアン「そんなことよりケイティー!」















マリアン「今度の日曜、合コンするわよ!」

ケイティー「え?合コン?」

マリアン「ジムさんにお願いしたらね、職場の後輩連れてくるって。」

















ケイティー「いいよ私は・・・。マリアンちゃん、ほかの人誘って。」

マリアン「なに言ってんのよ。誰のためにセッティングしたと思ってるの?」

ケイティー「私、今はそういう気分じゃ・・・。」















マリアン「あんたねぇ。一度失恋したくらいでなんなの?すっかり前の地味っ子に戻っちゃって。性格まで根暗になっちゃってるじゃないのよ。」

ケイティー「・・・・。」

マリアン「失恋っていうのはね、新しい恋が一番いい薬なんだから!あんたも次の恋に向かってゴーよ!」

ケイティー「ゴー・・・・。」














マリアン「それにもうあんたを連れてくるってジムさんに言っちゃったんだから。強制参加だからね。」

ケイティー「でも・・・。」

マリアン「でも、はナシ!いいから私と一緒に行くの!」

















ケイティー「・・・・。」

マリアン「そのメガネ、寮ではいいけど外出るときは禁止ね。日曜もちゃんとお化粧とかするのよ~。」

ケイティー「うん・・・・。」
















日曜。
4人は個室の居酒屋に集まっていた。





















ポール「マリアンちゃん、まだ大学生なんだ~?全然見えないね。すっごく大人っぽいよ~。」

マリアン「よく言われます~。」

ポール「まだハタチでしょ?お酒は飲めるの?」
















マリアン「サークルの集まりでもよく飲んでるので、全然大丈夫ですよ~。」

ポール「そうなんだ~?すごいね!俺、こう見えてそんな強くないんだよね~。」

マリアン「そうなんですか~。」
















マリアン「 (あんたの話はどうでもいいっつーの。私がジムさんの隣行きたかったのに、なんでケイティーが隣なわけ?) 」





















ジム「飲まないんですか?」

ケイティー「え?」



















ジム「いや・・・さっきから全然お酒すすんでないから。」

ケイティー「あんまり強くなくて・・・。」

ジム「そうなんですか。自分もです。」

ケイティー「ジムさん、結構飲むのかと思ってました。」

ジム「いやいや。付き合いで飲まされますけど、あんまり強くはないですね。」

ケイティー「そうなんですか。」















ジム「無理しなくていいですよ。」

ケイティー「はい・・・。」

ジム「なんだったらジュースでも頼みましょうか?」

ケイティー「いえ・・・大丈夫です。」

ジム「そうですか。」














ジム「 (なんだか元気なさそうだな。まだ引きずっているんだろうか・・・。) 」





















マリアン「 (ジムさん・・・・ケイティーにすごく気遣ってる。もしかしてケイティーのこと・・・・。) 」

ポール「それでその新しい学長がめちゃめちゃ怪しくてさ~・・・。」



















ポール「マリアンちゃん、聞いてる?」

マリアン「え?あぁ、うん。聞いてるよ。」

ジム「ケイティーさん、おなかすいてませんか?なにか追加します?」

ケイティー「いえ。大丈夫です。」

マリアン「・・・・。」













ポール「先輩、この前はありがとうございました~。」

ジム「あぁ、うん。」



















ポール「マリアンちゃん、めちゃめちゃかわいかったっすね~。」

ジム「ポールはああいう子がタイプなのか。」

ポール「もろ好みっすよ。ドストライクっす。」


















ジム「連絡先聞けたんだろ?よかったな。」

ポール「はい。今度デートに誘おうかと思って。」

ジム「そうか。がんばれよ。」

ポール「先輩はどうなんすか?ケイティーちゃんと。」

ジム「え?」














ポール「なんか父親みたいでしたよ、先輩。」

ジム「父親・・・?」

ポール「ずっと彼女に気遣ってて。あぁいう子はほっといたほうがいいですよ~。ちょっとメンヘラっぽいじゃないですか。」

ジム「メンヘラ?・・・彼女はそういうんじゃ・・・。」

ポール「メンヘラだけはやめといたほうがいいっす。俺も昔つきあった子がメンヘラで、えらい目にあいましたからね~。」


ジムの携帯電話が鳴る。











ジム「ごめん。ちょっと・・・。」

ポール「もしかして、噂のケイティーちゃんじゃないっすか?」

ジム「いや、違うと思う。」



















携帯の画面を見つめる。


ジム「 (マリアンさん・・・。ケイティーさんになにかあったのかな?) 」


















ジム「はい。」

マリアン『あ、もしもしジムさん?こんばんは~♪』

ジム「こんばんは。どうかされたんですか?」

















マリアン『この前のお礼を~と思って。』

ジム「そんな、別にわざわざいいのに・・・こちらこそありがとうございました。」

マリアン『また一緒に飲みに行きましょうよ~。』

ジム「そうですね。」

マリアン『ちなみに今日は空いてます?』

















ジム「あ、今ポールと飲んでるんですよ。よろしかったら一緒にどうですか?」

マリアン『そうなんだ~?う~ん、じゃあ今日はやめとこうかな~。』

ジム「そうですか・・・。残念です。」

マリアン『ジムさんとふたりっきりで飲みに行きたいな。』














ジム「え?自分と、ですか?」

マリアン『うん♪ダメかな?』

ジム「だめじゃないですけど・・・ポールのことはどうですか?あいついいやつですし・・・。」

マリアン『うん。いい人なのはすっごいわかるんだけど、私のタイプじゃないんですよね~。ああいうガツガツしてる人、苦手って言うか。』

ジム「そうなんですか・・・。」










マリアン『今度の土曜日、飲みに行きません?』

ジム「えっと・・・土曜はちょっと用事があって・・・。」

マリアン『じゃあ日曜日は?』

ジム「日曜は・・・空いてますけど・・・。」

マリアン『じゃあ日曜ね!ふたりで飲みにいきましょ♪』

ジム「・・・わかりました。」

マリアン『お店私が決めときますから。楽しみにしてますね。』

ジム「はい。」









電話を切ったジムが席に戻ってくる。


ポール「ケイティーちゃんでした?」

ジム「いや・・・。大学の同期だったよ。」

ポール「なんだ~。」














ポール「とにかく。彼女みたいな子には気をつけてくださいね。」

ジム「あぁ・・・・うん。」




















日曜。


ジム「マリアンさん、よくこんなお店ご存知でしたね。」

マリアン「最近付き合ってた人が大人だったから、いろんな場所に連れてってもらってたんですよ~。」
















マリアン「もう別れちゃったんだけどね。」

ジム「そうなんですか。」

マリアン「ジムさん、敬語やめません?私のほうがずっと年下なのにw」

ジム「いや・・・自分の口癖みたいなものなので・・・難しいですね。」

マリアン「そうなんだ~。」












ジム「そういえば、ケイティーさんは大丈夫でしたか?」

マリアン「え?」

ジム「この前すごく落ち込んでるみたいだったから。」

マリアン「ジムさん、ケイティーが失恋したこと知ってるの?」

ジム「はい。」














マリアン「気になる?」

ジム「気になるというか・・・・ひどく元気がなかったので・・・。」

マリアン「ジムさんって、ケイティーみたいな子がタイプなの?」

ジム「え?」
















マリアン「ジムさんのタイプ知りたいな。どういう女の子がタイプ?」

ジム「タイプですか・・・。う~ん、難しいですね。」

マリアン「そう?」

ジム「しいていえば・・・芯の強い女性、ですかね。」

マリアン「外見は?」













ジム「外見はとくに。清潔感があればいいです。」

マリアン「あ~それは大事だよね~。」

ジム「はい。」

マリアン「外見は特に好みないんだね~。」















ジム「マリアンさんは、ポールみたいなやつは苦手ですか?」

マリアン「う~ん。タイプじゃないかな~。ちょっとチャラいし。私はジムさんのほうがタイプだよ。」

ジム「自分、ですか・・・。」

マリアン「困る?」

ジム「いえ・・・困るってことはないですが・・・。」












マリアン「も~、ジムさん全然お酒すすんでないよ~。ほら~、飲もう飲もう!」

ジム「はい・・・。」






2012/09/25

運命の人








ジム「 (先客か・・・。) 」






















ジム「 (泣いてる?!もしかして失恋して自殺なんてこと・・・・。) 」
















 




ジム「ちょっと君!早まってはだめだ!!」

ケイティー「 ?? 」























ケイティー「え?!(男の人がこっちに走ってくる!こ、怖い!)」























思わず後ずさりしたケイティーの足元に大きな岩があった。
























ケイティー「きゃっ!」

ジム「あっ!」




















郊外の小さな一軒家。
家の窓からは明かりが漏れている。






















岩につまづいてびしょぬれになったケイティーは、ジムの自宅へ来ていた。
シャワーを浴びて、バスローブを貸してもらった。


ジム「すいませんでした。自分が驚かせてしまったせいで・・・。」






















ケイティー「いえ・・・。」

ジム「服が乾いたらすぐ送っていきます。」

ケイティー「すみませんわざわざ。」

ジム「いえ。こんなことになったのも自分のせいですから・・・。」















ジム「でもなんであんな場所に一人で?あの辺は夜になると夜景を見にカップルややんちゃな連中も集まってくるし、危ないですよ?」

ケイティー「そうなんですか・・・。昼間しか行った事がなくて、知らなかったです・・・。」

ジム「自分はまた、失恋して入水自殺でもするのかと勘違いしてしまいましたよ。」

ケイティー「失恋・・・。」













ケイティー「あながち間違ってないです・・・。その推理。」

ジム「え?」

ケイティー「失恋・・・したんです、私。」

ジム「そうだったんですか・・・。彼に振られたとか・・・?」


















ケイティー「いいえ・・・。私の・・・片思いでした。」

ジム「片思い、ですか・・・。」

ケイティー「私、舞い上がっちゃって・・・・。あんな素敵な人が私なんかとつりあうわけないのに・・・。」


ケイティーの頬を涙が伝う。
















ジム「素敵な男性だったんですね・・・。」

ケイティー「はい。とっても優しくて・・・。私なんかに何度も付き合ってデートしてくれて・・・。でもホントは好きな人いたんです、彼。」

ジム「お辛いですね・・・・。」

ケイティー「身分をわきまえろって感じですよね・・・。」

ジム「そんなこと・・・。」














ケイティー「バカみたい・・・私。」

ジム「・・・・。」

ケイティー「でも・・・・自分でも気づいてなかったんです。こんなに好きになってたなんて・・・。」


















ケイティー「憧れてるだけだって思ってたのに・・・・うぅっ・・・・。」

ジム「・・・・。」

ケイティー「・・・ごめんなさい・・・・。」

ジム「いえ・・・。」

ケイティー「・・・・ひっく・・・・。」

ジム「実は自分も・・・失恋したんですよ。」













ジム「お見合いした女性だったんですけどね。素敵な方でした。」

ケイティー「・・・・ひっく・・・。」

ジム「こういう方とならきっと平穏な家庭を作れるって思ったんです。」

ケイティー「・・・・。」

ジム「でも・・・その人のこと、本当に好きだったのか、今はよくわからないんですよ。」

ケイティー「・・・・。」

ジム「好きになろうと自分に暗示をかけてたような気もします。・・・・なにを焦ってたんでしょうね。」







ジム「結局彼女にはほかにいい人がいて、振られてしまいましたけどね。」

ケイティー「・・・・。」

ジム「きっとその人が彼女の運命の人だったんでしょう。」

ケイティー「運命の・・・人・・・?」

















ジム「きっとあなたの運命の人もいつか見つかります。そして僕にも。」

ケイティー「うぅ・・・・。」

ジム「今はお辛いでしょうが、きっとその運命の人に会うための試練だったんだと思いますよ。」








































ジム「すっかり遅くなってしまいましたね。すいませんでした。門限は大丈夫ですか?」

ケイティー「はい、平気です。こちらこそ、わざわざ送っていただいて、ありがとうございました。」

ジム「いえ。」
















ケイティー「では、私はこれで。」

ジム「はい。おやすみなさい。」

ケイティー「おやすみなさい。」

















ケイティーが寮に入っていく。
その後姿を見つめるジム。























ジム「 (名前・・・・聞かなかったな。まぁ・・・もう会うことはないか。) 」





















1週間後。























ジム「あ・・・。」

ケイティー「 ? 」





















ジム「こんにちは。」

ケイティー「え・・・?」

ジム「先週、川で・・・。」



















ケイティー「ああ!」

ジム「偶然ですね。お勉強ですか?」

ケイティー「はい。お友達が調べ物をしたいからって・・・。えっと・・・。」

ジム「ジム・カーキです。」

ケイティー「ジムさん・・・よくここに来られるんですか?」














ジム「時々。今日はラグビーの合同練習があって。」

ケイティー「ラグビー?」

ジム「大学でコーチをしてるんですよ。ブリッジ大のラグビー部と合同練習だったんです。その帰りです。」

ケイティー「ブリッジ大・・・私、在校生です。」

ジム「知ってます。この前送っていったのが女子寮でしたから。」

ケイティー「あ・・・私、ケイティー・スノーです。」

ジム「ケイティーさん。」











ジム「あなたにぴったりの、かわいらしいお名前ですね。」

ケイティー「え?」

マリアン「ケイティ~。」














 




ケイティー「マリアンちゃん。」

マリアン「あ、もしかしてこの人、あんたがデートしてた、あの王子様?」

ジム「え?」
















ケイティー「ち、違うの。この人はそうじゃなくて・・・。(ディーンさんはもっと爽やかなイケメンで・・・。) 」

マリアン「え?そうなの?あんたが男の人としゃべってるなんて珍しいからてっきりそうなのかと思った~。」

ケイティー「この人はこの前会ったばっかりなんだけど・・・(なんて説明したらいいのか・・・。失恋したことはまだマリアンちゃんには言えてないし・・・)。」

ジム「・・・どうも。」
















マリアン「こんにちは~。私、ケイティーのルームメイトのマリアンっていいます♪」

ジム「ジムです。」

マリアン「ジムさん、ケイティーのお友達?」

ジム「いえ。顔見知り程度で・・・。」

マリアン「そうなんだぁ~?」














ジム「じゃあ、自分はこれで。」

ケイティー「はい。」

ジム「勉強がんばってください。」

ケイティー「ありがとうございます。」

















ジムが立ち去る。


ケイティー「 (びっくりした。まさかまた会うなんて・・・。) 」




















マリアン「ちょっとケイティー!男の知り合いいるならなんで私に紹介しないのよ!」

ケイティー「え?いや・・・知り合いっていうわけじゃなくて・・・。名前もさっき知ったばっかりだし・・・。」

マリアン「あんた最近おしゃれも全然気合入ってないし、なんかおかしいと思ったのよね。王子様はどうしたわけ?」

ケイティー「それが・・・。」














ケイティー「振られちゃって・・・・。」

マリアン「そうなんだ?んで、あの人は王子様の知り合いか何か?」

ケイティー「ううん。全然関係ない人。」

マリアン「あんたジムさんのこといいと思う?」

ケイティー「え?」

マリアン「私、連絡先聞いてきてもいい?」












ケイティー「連絡先?」

マリアン「うん。あんたが狙ってないなら私、ジムさんのこと狙ってもいいよね?」

ケイティー「マリアンちゃん、ああいう人がタイプなの?」

マリアン「私筋肉に弱いんだよね~。彼、落ち着いててすごく誠実そうだし。」
















ケイティー「誠実・・・?」

マリアン「それともあんたジムさんの番号知ってる?」

ケイティー「まさか・・・。」

マリアン「じゃあ聞いてきてもいい?」

ケイティー「それは・・・マリアンちゃんの自由だし・・・。」

マリアン「そうだよね。」












マリアン「ちょっと行ってくるね。すぐ戻るから待ってて♪」

ケイティー「え?マリアンちゃ・・・。」






















ケイティー「 (すごい行動力だなぁ・・・・。マリアンちゃんって、ああいう男くさい人がタイプだったんだ?意外かも・・・・。) 」