2014/03/28

二人の出会い


































マロン「アイビーちゃん昨日CM撮影だったんでしょ?どうだった?」

アイビー「あ~、久しぶりでちょっと緊張したw」

マロン「そっか~。やっぱそうだよね~。」















アイビー「来週CM発表会のあとパーティーなんだ。」

マロン「そうなの?そういう場も久しぶりじゃない?」

アイビー「うん。」

マロン「囲み取材とかは?」

アイビー「ナシにしてくれるって。」

マロン「そっかぁ~。よかったね。」

アイビー「うん。リリィ社長がそういうのは全部ナシにしてくれてて。」









マロン「さすがだね~。リリィちゃんはモデルのこと一番に考えてくれてるもんね。」

アイビー「うん。すごく助かる。」

マロン「なに着ていくの?ドレスは決まった?」


















アイビー「う~ん、まだ迷ってるんだよね。」

マロン「そうなの?」

アイビー「一応D&Gのドレスを取り寄せてもらってるんだけど・・・。今回のCMの雰囲気とはちょっと合わない気もするしな~・・・。」

マロン「そういうのは大事だよねぇ~。」

アイビー「う~ん・・・。」















アイビー「あ、そういえばさっきから気になってたんだけど。」

マロン「ん?」

アイビー「ジーン、今日ちょっとかしこまってない?いつもカジュアルなのに。」

マロン「あ~、僕も気になってたんだw」















ジーン「あははw」

アイビー「なに?なんかあったの?」

ジーン「ちょっとね。」

マロン「え~、その言い方気になる。」















ジーン「お昼に人と会ってたんだよ。」

マロン「人?もしかしてデート?」

ジーン「そんなんじゃないよw」

アイビー「そうじゃないならなんなの?どういう関係の人?」

ジーン「ロレックの社長と会ってたんだ。」













アイビー「え?ロレックってあのロレック?」

ジーン「うん。やっと会ってくれることになったから、デザインを見てもらったんだよ。」

アイビー「すごい!」

















ジーン「まだ見てもらっただけだし、契約の話も出てないけどね。」





















アイビー「でも社長自らなんてすごいよ!ねぇマロンちゃん!」

マロン「うんうん!」

ジーン「ありがとw」




















ジーン「まぁダメだったらまた別のところあたろうかと思って。」

アイビー「私もデザイン見たいな~!」

ジーン「そういえばアイビーに前見てもらってから全然だったな。」

アイビー「うん。デザイン画?」

ジーン「見てもらったのはね。でも一応ドレスも何着か持って行ったんだけど・・・そっちは機会がなくて。」












アイビー「ドレスも作ったの?」

ジーン「うん。一応服飾の学校出たしねw」

アイビー「すごい!見たい見たい!」

ジーン「じゃああとで持ってくるよ。車に積んであるし。アイビーが終わった頃でいい?」

アイビー「うん!すごい楽しみ!」













数時間後。





















アイビー「すっごい素敵!」

ジーン「ホント?サイズぴったりだったな。」

アイビー「うん!着心地もすごくいい。」


















ジーン「実を言うとそれ・・・アイビーをモデルにしたんだ。」

アイビー「え?」

ジーン「アイビーのことイメージして作ったドレスなんだよ。」

アイビー「そうなの?私こんなに爽やかな色かな?」

ジーン「うんw 俺にはそういうカンジに見える。そのドレス、もらってくれる?」

アイビー「え??」

ジーン「アイビーに着て欲しいんだ。」















アイビー「でも・・・。」

ジーン「いいんだ。それはアイビーに着て貰ったほうがドレスも喜ぶし、俺も嬉しいから。」

アイビー「ホントに・・・いいの?」

ジーン「うん。もちろん。」

アイビー「嬉しい。ありがとう。」













ジーン「いや。俺のほうこそ・・・・アイビーに着てもらえてすごい嬉しい。」

アイビー「このドレス、ジーンの髪の色と一緒だね。」

ジーン「そういえばそうだなw」

アイビー「撮影したCMのお酒もこういう色なんだ。すっごく綺麗な色なんだよ。」

ジーン「へぇ~。」















アイビー「あ、ねぇジーン。このドレスはロレックの社長には見せてないんだよね?」

ジーン「うん。」

アイビー「他のデザイナーとかには?」

ジーン「見せてないよ。」

アイビー「これ、今度のCM発表会で着て行っちゃダメかなぁ?」












ジーン「え・・・?でも・・・。」

アイビー「ダメ?」

ジーン「いや・・・ダメじゃないけど・・・・いいの?」

















アイビー「だってこのドレス、CMの雰囲気にぴったりなんだもん。それにすっごく素敵だし気に入っちゃったんだ。」

ジーン「アイビーがよければ・・・・。」

アイビー「ホント?やった!」


















ジーン「なんか自分の作ったドレス着て大勢の人の前にアイビーが出るって、想像すると緊張するな!」

アイビー「ふふっw そういうもん?」

ジーン「そういうもんだよ。自分が作ったものは作品だし、子供みたいなもんだから。」

アイビー「そっかw」















アイビー「私も久しぶりのCM発表会すごく緊張するって思ってたんだけど、このドレスだったら変に緊張しないで済むかも。なんかワクワクしてきちゃった。」

ジーン「そっかw 着る服で気分変わるもんな。」

アイビー「そうなんだよね!来週すっごく楽しみだな~♪靴はどういうのがいいと思う?やっぱり白かなぁ?」

ジーン「そうだね。アクセサリーも、シルバー系で揃えたらいいかな。」















翌日。





















リリィ「待たせて悪かったわね。」

アイビー「いいえ。私こそ、忙しいところすみません。」



















リリィ「仕事のほうはどう?」

アイビー「はい。順調です。」

リリィ「そう。前に見たときよりだいぶ顔色もいいわね。安心したわ。」


















アイビー「いろいろご迷惑をおかけしました。仕事のことも気を遣っていただいて・・・すみません。」

リリィ「いいのよ。モデルの管理をするのが事務所の役目だもの。その分しっかり働いてちょうだい。」

アイビー「はい。」

















リリィ「本題に入りましょうか。」

アイビー「・・・・。」

リリィ「聞きたいことって、ミランダのことよね?」


















アイビー「はい・・・。」

リリィ「あの子はまだサンセットみたいね。いつでも帰ってこれるようにって自家用機はむこうに置いてきたけど、さっさと帰ってきて欲しいものだわ。私だって暇じゃないんだから。」

アイビー「・・・・いつまでいらっしゃるかはわからないですか?」
















リリィ「気まぐれな子だから。あなたも大変ね。」

アイビー「いえ・・・。」


















リリィ「本来ならあなたが育てる義務はない子供だものね。」

アイビー「・・・・。」

リリィ「嫌なら断ってもいいのよ?今からでも遅くないわよ。」


















アイビー「いえ・・・今日はそういう話で来たのではなくて・・・。」

リリィ「・・・・。」

アイビー「ミランダさんがどういう人間なのか、私は全然知らないので・・・・社長にいろいろとお聞きしたくて。」

















リリィ「ミラがどんな人間か?」

アイビー「はい。」



















アイビー「私にはなかなか心を開いてくれてないみたいだし・・・ミランダさんがどういう風に思っているのか、少しでもわかりたくて。」

リリィ「そうねぇ・・・・。」

アイビー「なんでもいいんです。出会った頃のこととか、どういう人なのか、雰囲気だけでも掴めれば・・・。」

















リリィ「変わり者には違いないわね。」

アイビー「・・・・気難しいですか?」

リリィ「簡単に言えばそうかしら?でもホントは単純なのよ。」

アイビー「・・・・。」

















リリィ「ミラとの出会いは私がモデルをしていた頃よ。もう15年になるかしら。」





















あの子とはじめて会ったのは・・・・私が撮影してるときだったわ。

あなたも知っていると思うけど、私も昔はBiBiの専属モデルだったのよ。
あの日は私もカメラマンもすごくノッてて、撮影の終了時間を上回ってたのよね。



















マリオ「いいね~。すっごくイイ!最高に綺麗だよリリィ。」





















あの頃のBiBiは今とは違って看板争いがすごかったわ。
みんなそれぞれの事務所からのプレッシャーもすごかったし、業界自体の雰囲気も今よりすごく悪かった
私はトップ3に入る人気だったけれど、ホントはいつも飽き飽きしてた。

















女性マネージャー「おはようございます。」

ミランダ「おはようございます・・・。」



















マリオ「あ~ごめん!今ちょっといいところだから待っててくれる?」


マネージャー「それならここで見学させてもらっててもいいですか?」

マリオ「好きにして~。」

マネージャー「はい。」
















マネージャー「いい?よく見て勉強するのよ。彼女はBiBiの看板トリオの一人だから。」


ミランダ「はい。」

マネージャー「彼女のポージングは3人の中でもずば抜けて素晴らしいって評判なのよ。」

ミランダ「・・・・。」












リリィ「 (あのマネージャー、たしかアスカー事務所の人間ね。あそこはモデル上がりの女優やタレントが多いけど、業界での評判はあまり良くないのよね。裏であくどいことやってるってよく聞くし・・・。) 」


















ミランダ「・・・・。」




















思えばはじめて見たときから私はあの子になにか感じてたのかもしれないわ。

あの子の目は、いままで見てきた誰とも違っていた。





















マリオ「お疲れ!今日はすっごくよかったよ。」

リリィ「ええ、私もそう思うわ。」

マリオ「遅くなって悪かったな。」

リリィ「気にしないで。私も楽しかった。」

マリオ「じゃあまた明日な。」

リリィ「ええ。お疲れ様。」

マリオ「お疲れ!」













マリオ「お待たせ!」

マネージャー「今度担当になった新人をお連れしました。」

マリオ「来週からだったよな?」

マネージャー「今日は見学も兼ねてご挨拶に。」

マリオ「そうか。」
















マリオ「ふぅ~ん。最近君んとこのモデル、路線変えてきてるの?」

マネージャー「え?」

マリオ「前は清純派一本じゃなかった?こういう子も選ぶようになったんだ?」

マネージャー「え・・・ええ。これからは個性の時代ですから。」

マリオ「まぁそうだな。」

マネージャー「ミランダ、挨拶して。」












ミランダ「ミランダ・レッドです。よろしくお願いします。」




















マリオ「・・・君、なかなかいい目つきしてるね。」

ミランダ「ありがとうございます。」




















リリィ「あ~おなかすいた。」
























マロン「リリィちゃんお疲れさま。」

リリィ「お疲れ~。サリィは?」

マロン「今休憩しに行ってる。次の子までまだ時間あるからってお茶しに行ったよ。」

リリィ「またダイナーね。あの子ってばホント甘いものに目がないんだから。」

マロン「この前ダイエット宣言してたばかりなのにねぇ。」













リリィ「そういえば今新人が挨拶に来てたわよ。」

マロン「新人?」

リリィ「うん。アスカーの子みたい。マネージャーがそうだったから。」


















マロン「あ~、そういえばキャリーちゃん辞めちゃったもんね。その後釜になるのかな?」

リリィ「そういえばキャリーはアスカーだったわね。」

マロン「うん。」



















リリィ「キャリーって辞める前ちょっとおかしかったわよね?激痩せしてたし。」

マロン「そうだったねぇ。」

リリィ「結局辞めちゃったし、やっぱりあの子大丈夫じゃなかったんだ?」

















マロン「リリィちゃん気になってたんだ?珍しいね、リリィちゃんが他のモデルのこと気にするなんて。」

リリィ「そりゃ気になるわよ。明らかにキメてる日あったもの。」


マロン「まぁね~・・・。まぁあそこはいろいろ噂も聞くし、あんまり関わらないほうがいいと思うよ。」

リリィ「もちろんそのつもりよ。」


















ミランダ「すいません・・・トイレと間違えちゃって・・・。」


マロン「トイレなら右だよ。」

ミランダ「そうなんですね、ありがとうございます。」


マロン「あ、ねぇ君。」

















マロン「今度入る新人さん?」


ミランダ「はい。ミランダ・レッドです。」

マロン「事務所はどこなの?」


ミランダ「アスカーです。」

















マロン「僕はマロン。ヘアメイク担当なんだ。よろしくね。」





















ミランダ「よろしくお願いします。わからないことばかりなので、いろいろ教えてください。」





















まるで新人の目には見えなかった。

仕事上はもちろんそうなんだけど、あの子の目はもう世の中のすべてを見てきているように見えたわ。
まだとても若いのにね。





















リリィ「あなた、年いくつ?」


ミランダ「17です。」

マロン「へぇ~。大人っぽいねぇ~。」

















リリィ「私はリリィ。事務所は違うけどまたここで会うこともあるだろうから、よろしくね。」






















ミランダ「こちらこそ、よろしくお願いします。さっきの・・・すごくかっこよかったです。」


リリィ「そう?ありがとう。」




















リリィ「ところでトイレはいいの?」


マロン「ああ!そうだったねぇ!引き止めちゃってごめんね!」

ミランダ「いえ・・・。」

リリィ「もうマロンってば。」